ブラックジャックは、ランドカジノ(実店舗のカジノ)とオンラインカジノの両方で広く親しまれているカードゲームです。別名「21」とも呼ばれるこのゲームは、ポーカーを凌ぐほどの絶大な人気を誇ります。では、この魅力満載のカードゲームはどのようにプレイするのでしょうか?このページで詳しくご説明します。

目次
ブラックジャックの基本ルール
ブラックジャックは、手札の数字(点数)の合計が21点を超えないようにしながら、ディーラーよりも高い点数を得ることを目指すゲームです。もしディーラーが追加のカードを引いた結果、合計点が21点を超えた場合も、あなたの勝ちです。絵札は全て10点として数えます。「A(エース)」は、その時の手札の状況に応じて1点か11点のいずれか有利な点数で数えられます。ほとんどのバージョンでは、どのプレーヤーも、カード2枚からスタートします。ディーラーの2枚のカードのうち1枚は、最後まで伏せられています。
ブラックジャックの歴史とは?
似たようなルールを持つゲームが最初に言及されたのは、遥か17世紀のスペインで出版された『Novelas Ejemplares』という本の作中です。この本の物語の1つに、スペイン語で21を意味する『Veintiuna』というゲームに興じる2人の人物の話があります。
『Veintiuna』のルールはブラックジャックとは同じではありませんでしたが、明白な類似性がありました。この物語が書かれたのは1601年から1602年の間であることから、人々はそれ以前からVeintiunaをプレイしていたことが伺われます。
歴史家の中には、現代のブラックジャックが17世紀の終わりにかけてフランスのカジノで最初にプレイされたと考える人もいます。この初期バージョンはVingt-et-Un(フランス語で「21」)と呼ばれ、当時のフランスで人気のあったゲーム『Chemin de Fer』 と『French Ferme』から派生しました。
古代ローマ人が早期バージョンのブラックジャックをプレイしていたという説もあります。ローマ人はギャンブル好きで、異なる数字が割り当てられた木製ブロックを使ったゲームに興じていました。
ブラックジャックが誰によって発明されたかは不明ですが、現代バージョンが1931年にギャンブルが合法化されたネバダ州で始まったことは間違いありません。当時も『21』として知られていたこのゲームは、最初にオープンしたラスベガスのカジノで瞬く間に人気を博しました。
ブラックジャックのルール
ブラックジャックでは、まずカードを配る前にプレイヤーが最初のベットをすることからゲームが始まります。ディーラーは、2枚のカードを表向きにしてあなたに配ります。その後、ディーラー自身の分も1枚は表向き、1枚は絵柄を伏せて(裏向きで)配ります。カードがテーブルに揃ったら、あなたの手札の合計点がどれだけ21点に近いかにより、ヒットするかスタンドするかを決められます。
ヒット
「ヒットする」とは最初の2枚が配られた後、さらにもう1枚カードを受け取ることを指す用語です。もしあなたの手札の合計点が21点よりもずっと低い場合は、ヒットするでしょう。オンラインで遊ぶ時は、ヒットボタンをクリックする事でディーラーにヒットを要求できます。実店舗のカジノでは、手札が裏向きの場合はカードでテーブルを軽くこする動作を行います。もし手札が表向きの場合は、テーブルを軽く叩くことでヒットの合図となります。
スタンド
「スタンドする」とは、これ以上カードを受け取りたくない時に使う用語で、手札が現状ベストであり、ヒットしたらバーストする可能性があるとあなたが判断したときに行います。「スティック」「ステイ」「スタンドパット」などと呼ばれることもあります。ヒットと同様、オンラインで遊ぶ時は単純にスタンドボタンを押すだけです。実店舗のカジノでは、手札が裏向きの場合はチップの下にカードをスライドさせ、表向きの場合は横に手を振ります。
ダブルダウン
最初の2枚のカードが配られた後、「ダブルダウンする」オプションもあります。ダブルダウンとは、最初のベット(賭け金)を増やしたり(通常は2倍)、手札にもう1枚カードを追加したりすることです。もう1枚カードを引いたら、スタンドしなければいけません。
ダブルダウンの合図は、最初に賭けたチップの横に追加のチップを置き、指を1本立てます。カードが裏向きの場合を除き、カードを触ってはいけません。もしカードが裏向きの場合は、指を立てる前に表向きに返さなければいけません。
スプリット
最初に配られた2枚のカードが同じ数字であった場合(例えば「9」が2枚)、2つの別の手に分けて、追加のベットをすることができます。スプリットは2回まで出来、プレーヤーは一度に3つの手を持つことができます。
スプリット後は、それぞれ別個の手としてプレーするので、それぞれの手に対してヒットかスタンドすることになります。ただし「A(エース)」の場合は、プレーしているゲームのバージョンによりますが、スプリットは1度まで、あるいは一切できません。
スプリットの合図は、ダブルアップする場合と同じですが、立てる指は1本ではなく、2本です。
インシュランス
インシュランスは、ディーラーの手札のうち表向きのカードが「A(エース)」である場合に提示されます。このシナリオでは、最初の掛け金の半額に相当する追加ベットを行います。もしディーラーのカードが「10」以外である場合、あなたはインシュランスのベットを失い、通常通りゲームが続行されます。一見インシュランスは最初のベットの損失を補填する良い方法に見えますが、ブラックジャックのベテラン達はこれが詐欺だと考えています。―これについては後ほど詳しく述べることにします。
サレンダー
最初に配られたカードを見た後に「サレンダーする」というオプションもあります。サレンダーすることにより、あなたは賭け金の半額を失い、そのゲームを降りることになります。サレンダーは、賭け金全てを失うのを回避する方法としては、インシュランスを賭けるよりも良い手段です。合図は、ベットの後ろでゆっくりとあなたの手を横にスワイプし、「サレンダー」と言います。
ブラックジャックにおける各カードの数え方
ブラックジャックにおける各カードの価値(点数)は非常に分かりやすいです。数字カードは、カードに書いてある数字通りの価値(点数)で、絵柄(ジャック、クイーン、キング)カードは、10点として数えます。

既にお伝えしたように、A(エース)は1点か11点の価値があり、手札の残りのカード次第で、1点か11点かを選択できます。もし11点として数える場合、あなたの手はソフトです。ブラックジャックにおけるソフトハンドとは、バーストする可能性なくもう一枚ヒットできることを意味します。
ブラックジャックにおいては、スート(マーク)はカードの価値に対して何の影響もありません。
結果とペイアウト
もしゲーム終了時にあなたの手札のほうがディーラーよりも21点に近い場合、その勝ちゲームには対して1対1の割合で払い戻されます。もしディーラーがバーストし、あなたがしなかった場合も、あなたの手札に関係なく1対1の割合で払い戻されます。
もし最初に配られた2枚のカードが幸運にもブラックジャック(「A(エース)」と10点の価値のカードの組み合わせ)であった場合は、そのゲームは3対2の割合で払い戻されます。ほとんどのオンラインカジノ版ブラックジャックでは、この通常の払い戻しルールを定めた表が用意されています。
プッシュ
ディーラーの手札と同点でゲームが終了した場合は、プッシュとなります。プッシュの場合は、ベット(賭け金)が払い戻されます。あなたとディーラーの手札が両方ともブラックジャックであった場合も、同様にベットが払い戻されます。
ディーラーに適用されるルール
対戦相手、つまりディーラーに適用されるルールはあるのでしょうか?オンラインでもオフラインでも、ディーラーは特定のルールを順守する義務があります。ほとんどのケースで、以下のルールが適用されます。
- ソフト17ではヒットしなければならない。
- 17かそれ以上の場合はスタンドしなければならない。
- 17かそれ以下の場合はヒットしなければならない。
ブラックジャック攻略法
ここでは、効果的で人気の高いブラックジャック向けの戦術をご紹介します。常に勝てることは保証できませんが、間違いなくこれまでよりも頻繁に勝てるようになるでしょう。
- ハード11は、常にダブルダウン: ディーラーのアップカードがどのカードであっても、あなたの手札がハード11の時にダブルダウンすればほぼ毎回勝てるでしょう。ただし、一つだけ例外があります。もしあなたがマルチデックゲームをプレイしているとき、つまりディーラーがソフト17でスタンドしなければいけないゲームのときは、ディーラーのエースに対してはダブルダウンではなく、ヒットしたほうが勝率がわずかながら上がるでしょう。
- 8のペアかAのペアは、常にスプリット: ディーラーのアップカードが何であれ、もしあなたの手札が8のペアかA(エース)のペアの時はスプリットしなければなりません。残念ながら、多くのプレーヤがディーラーのアップカードが9か10かAの時、8のペアをスプリットしません。しかし、もし手札がAのペアである場合は21点になる可能性が2回になるのですから、これは堅実な戦術です。そしてもし手札が8のペアの時も、少なくとも18点になる確率がかなりあり、スプリットする前の16点よりも良い点数です。
- 5のペアか10のペアは、スプリットしない: 5のペアはハード10でもあるので、5のペアをスプリットして2つの手に分けるよりも、もう1枚あるいはそれ以上のカードを引いて現状の10点に追加したほうが常に有利です。10のペアをスプリットすると勝てることも多いですが、スプリットせずに20点のままキープしておいたほうが、どのような状況でも勝率が高くなります。
- ディーラーのアップカードが2か3の時、ハード12は常にヒット: ディーラーのアップカードが2か3の時は、あなたがヒットしようがスタンドしようが長期的にはお金を失うでしょう。しかしあなたの手札がハード12の場合には、ヒットすると損失は少なくなります。ですので、これは最善の戦術です。
- ディーラーのアップカードが9か10かAの時は、Aと7(ソフト18)は常にヒット: 信じられないかもしれませんが、ディーラーの手が9か10かA(エース)の時にあなたの手札がAと7の時は、ヒットしてもスタンドしても勝ち目がありません。しかしヒットした方がやや形勢が良くなります。何故かというと、もし小さい数字のカードを引いたら18より大きいパットハンドになる可能性があるからです。つまり、勝つ可能性が高まるということです。その後、10点の絵柄カードをどれでも引けば、さらに勝率が高まります。
- ディーラーのアップカードが9以下の時は、10は常にダブルダウン: ディーラーのアップカードが9以下で、あなたの手札が10が2枚の時、あなたは本命馬です。ダブルダウンしましょう!
- ディーラーのアップカードがAと5又はAと6の時、Aと2からAと7は常にダブルダウン: ディーラーのアップカードがAと5またはAと6の時、Aと2からAと7の手札を常にダブルダウンすれば勝率が高まります。
- ディーラーのアップカードが7の時は、9のペアは常にスタンド: ディーラーが7を見せている時の最善の戦術はスタンドすることです。なぜならスプリットするよりもやや勝率が上がるからです。何故でしょうか?一つのデックには他の数字に比べて4倍も10のカードがあるので、ディーラーのホールカード(伏せられているもう1枚のカード)が10である可能性が高いからです。この場合、あなたの手札9のペアが勝ちとなるのです。
- ディーラーのアップカードが9か10かAの時は、ハード16は常にサレンダー。またディーラーのアップカードが10の時は、ハード15は常にサレンダー: ブラックジャックにおいて、ハード15とハード16は最悪の手です。ディーラーが9、10、A(エース)のような強いアップカードを見せている場合は尚更です。しかし、サレンダーすることで損失を最小限に抑えることは可能です。長期的には、あなたの出費を抑える戦術でしょう。
- シングルデックゲームで、ディーラーのアップカードが5か6の時は、8は常にダブルダウン: ダブルデックゲームかマルチデックゲームでは、手札が8が2枚の時にダブルダウンしないこと。ただし、シングルデックゲームの時に限っては、ヒットするよりもダブルダウンをしたほうが勝率が高まります。
- ディーラーがAを見せている時は、絶対にインシュランスしない: インシュランスは騙されやすいカモのためのベットです。あなたの手札が19か20でも、インシュランスはしないように!2:1のペイオフは、ディーラーがブラックジャックを引く確率より下回ります。
上記でご説明した戦術を、より分かりやすい表にまとめました。
ハード | 2から6 | 7からA |
---|---|---|
4から8 | ヒット | ヒット |
9 | ダブル | ヒット |
10か11 | ダブル | ディーラーより21に近い場合、ダブル |
12から16 | スタンド | ヒット |
17から21 | スタンド | スタンド |
ソフト | 2から6 | 7からA |
---|---|---|
13から15 | ヒット | ヒット |
16から18 | ダブル | ヒット |
19から21 | スタンド | スタンド |
スプリット | 2から6 | 7からA |
---|---|---|
2/2, 3/3, 6/6, 7/7,9/9 | する | しない |
8/8, A/A | する | する |
4/4, 5/5, 10/10 | しない | しない |
カードカウンティング
「カードカウンティング」の手法を使うと、次のゲームがあなたとディーラーのどちらに有利になるかを予測することが可能になります。もしあなたに有利になると予測した場合は、ベットを増額するでしょう。そうでない場合は、ベットを少額にするでしょう。では、その方法をご説明しましょう。
ディーラーがカードをシャッフルした後、デックの中にはハイカードとローカードが同数ある状態です。ゲームの序盤でどのカードが引かれたかによって、まだ引かれていないカードのうちハイカードに対するローカードの比率は変わるでしょう。
例えば、ゲーム序盤でハイカードよりローカードのほうが多く引かれた場合は、まだ引かれていないカードにはより多くのハイカードが残っていることでしょう。もしそうである場合は、カードカウンターはベットを増額します。なぜならブラックジャックを当てたり、ダブルダウンに勝つ可能性が高まっているからです。
加えて、もしディーラーがローカードを見せた場合、彼らがヒットすればバーストする頻度は高まるでしょう。もし代わりにまだ引かれていないカードがローカードに集中している場合は、ディーラーが有利です。というのも、カジノのルールでは、ディーラーが「12」から「16」を引いた場合はヒットしなければいけなく、ローカードばかりが残っている場合は「17」から「21」の手になる確率が高くなり、バーストする確率も低くなるからです。
まだ引かれていないカードにハイカードが集中してプレーヤーに有利な状況なのか、逆にローカードが集中してディーラーに有利な状況なのかを知るために、カードカウンター達(カードカウンティング手法を行うプレーヤー達)は、各カードにタグを割り当てます。人気のHi-Loカードカウンティングシステムでは、各カードのタグは次のように割り当てられています。
カード: | 2、3、4、5、6 = タグ+ 1 |
カード: | 7、8、9 = タグ0 |
カード: | 10、J、Q、K、A =タグ-1 |
カードカウンター達は、プレイされた全てのカードを監視し、各カードに算術的にタグを追加しなければなりません。カードシャッフル後のカウントは、常に0からスタートします。例えば、最初のプレーヤーの手札が「3」「6」「10」の合計19点で、スタンドしたとしましょう。カウンターは「3」のカードに1を足し、「6」のカードにまた1を足して、「10」のカードには1を引きます。この時点では、彼もしくは彼女のカウントは1となります(つまり、(+1) + (+1) + (-1) = +1)。
同様にして、カウンターは各ゲームで引かれた全てのカード(ディーラーの手も含む)にタグを追加していき、最終ラウンドまでこれを続けます。それまでに何枚のカードが引かれたかにも依りますが、もしその時点でのカウントがプラスである場合、カウンターは次のラウンドで優勢になる可能性が高いため、そのカウンターはベットを増やすでしょう。
タグの数値がプラスで高ければ高いほど、そしてより多くのカードが引かれた後であればあるほど、カウンターにとってより有利になり、そのカウンターはベットを増やすでしょう。逆にもし数値がマイナスの場合、カウンターは有利でないことが分かるので、次のラウンドではベットを少額にするはずです。カウンターは、ラウンドごとに各カードのタグ数を数え、その時点でのカウントがプラスかマイナスかによりベット(賭け金)を調整するというプロセスを続けます。
ライブ・ブラックジャック
ライブ・ブラックジャックでは、実店舗のカジノを訪れているかのような体験ができます。ゲームに参加すると、ブラックジャックのベッティングテーブルの向こう側に座っているディーラーと向かい合わせになります。

ここからは通常どおりにゲームが進行し、ディーラーは実際のシュー(カードが引かれるボックス)からカードを引き、あなたのベットの目の前にカードを表向きに配ります。同じテーブルでプレイしているプレーヤーのカードを見ることもできるため、ライブ・ブラックジャックのコミュニティ感が増します。
各ラウンドの合間には、賭け金を決めてベットを置く時間が設けられます。この後はベットをすることができず、ディーラーがカードを引き始めます。