伝説のハイローラー

ハイローラーとは何者か?

カジノのキング&クィーンにあたるハイローラー。ビッグな賭けをしてビッグウィンを狙う人たちですね。実際のところカジノ運営側の収益の80%は、20%のプレイヤーに賄われていているんです。そのほとんどがVIPや超ハイローラーたち。だからカジノは優良顧客を大切にしてずっとお金を落として遊んでもらい、他所のカジノに鞍替えされないよう至れりつくせりのサービスでがんばっちゃうわけです。

ハイローラーの一回の入金額は数千ドル。莫大な資金を投入してプレイし、大金を失うことなんて恐れちゃいない。もちろんハイローラーもみな勝つためにやってるんですが、そんなどデカい資金でギャンブルするとなるとスリルとメンタルをコントロールする力が必要ですね。

ハイローラー、ウェール、メガ・ウェール

ハイローラーの定義はカジノによって違いますが、共通するのは平均的なプレイヤーに比べて桁外れの金額をつぎ込むこと。そして、ハイローラーにもランクがあり、ハイローラー、ウェール、メガ・ウェールに区別されます。

平均的なハイローラーよりさらにビッグな賭けをやるのがウェール。一度になんと100万ドル程度入金し、1プレイに何万ドルも使っちゃうんです。世界に500人ほどのウェールがいるといわれています。そして、賭け金のどデカいことではウェールも霞んでしまうのがメガ・ウェール。

メガ・ウェールはザラはいません。ハイローラーやウェールにとってもアホくさいほどの巨額な資金をつぎ込むんですから。一度に1千万ドル入金するのはへっちゃらで、1プレイに10万ドルを費やすメガ・ウェーラー。世界に200人ほどのいるといわれる一握りの人たちです。

ブルネイ国王

世界屈指の大富豪。史上最高額ともいわれるスーパーカーのコレクションを保有していて、そのうえにギャンブルもお盛ん。純資産額は200億ドル。ロンドンとラスベガスのカジノがお気に入りで、1日に100万ドル使うのなんてへの河童というお方。

アーチー・カラス

史上最も悪名を馳せているハイローラーといえるのがアーチ―・カラス。彼がラスベガスに到着したときにポケットに入っていたのはたった50ドル。主にポーカーで勝負し、負けたのはジョニー・チャン相手にしたときだけ。やがて所持金は4千万ドルに膨れ上がったのです。しかし、そのツキも長くは続かず、1年ほどで負けが込んで大金を失い逃走することに。イカサマの罪で数年間の保護観察処分となり、ネバダ州のカジノではブラックリストに載せられてしまいました。

モー・チャン

どこからともなく彗星のように現れ、荒稼ぎすると、あっさり姿を消してしまったモー・チャン。バカラのプレイヤーで、オーストラリアのカジノで桁外れの勝利を手にし、1千万ドルの富をゲット。1度に50万ドルを賭けたといわれています。しょっちゅう大勝ちされて困ったカジノはモー・チャンのベットに上限を付けるようになります。そしてカジノを渡り歩き、遊べるカジノがなくなったところでドロン。どこかの綺麗なビーチで悠々自適の暮らしを楽しんでいるのか、オンラインカジノへ乗り換えたのかは謎のまま。いずれにせよカジノ界で名を残したのは確かです。

アドナン・カショギ

国際的な武器取引業で富を築いたアドナン・カショギは、誰の目からみても威圧的な有力者。40億ドルの資産を有し、カジノが大好き。カジノ側にとっては残念なことに、彼は凄腕プレイヤーだったのです。一時期、彼の強運ぶりは目覚ましく、ヒルトン・カジノ・リゾートは彼がプレイした期の決算で20%の損失を計上したほど。

井川意高

井川意高は東大法学部を卒業後、父が2代目の社長を務める王子製紙に入社。2007年には社長に就任し、頻繁にマカオのカジノでバカラをプレイするようになります。しかし、損失をさらにカジノで取り戻そうとギャンブル資金を調達するために会社の資産を不正に借用しはじめてしまいます。総額はなんと1.4億ドル!ほどなく不正な借り入れは発覚し、有罪判決を受け禁固刑に処されるという結末に。

柏木昭男

「ウォリアー(戦士)」という名で知られていた柏木昭男のストーリーは悲しく幕を閉じることになります。東京に拠点を置く不動産王で、純資産は数十億、年間所得は数百万ドル。アトランティックシティやラスベガスのカジノで豪遊していました。資金の出所は公開しておらず、カジノは柏木の職業を単にビジネスとして登録。

バカラを好み、よく何時間でも飽きずにプレイし、一度に10~20万ドルをベットしていた彼は、映画「カジノ」のモデルにもなっています。1990年にはトランプ・プラザホテル&カジノとの法廷闘争をする羽目になったのは有名な話。総額1200万ドルの賭け、1000万ドル負けて200万ドル分のチップを持ち去ったというもので、柏木側はカジノ側が責務を履行しなかったと主張しています。それから2年後、柏木は日本の自宅で殺害されているのが発見されます。事件は未解決で、トランプは400万ドルの未収金を抱えたままでした。

ケリー・パッカー

オーストラリアの名だたるメディア王で、超がつくほど有名なハイローラーのケリー・パッカー。ニックネームは「プリンス・オブ・ウェールズ」。ルーレットで複数賭けて一度に2500億ドルも負けてしまったのは有名な逸話。ブラックジャックではよく1度に50万ドル賭けていて、1.25億ドル賭けたこともあるとか。大負けしたことはあるものの、ラスベガスのMGMグランドで3300万ドルの勝利金を手にしたこともあるという話。ウェイトレスに100万ドルのチップをあげたというのもぶっ飛び。

フィル・アイビー

世界最強のポーカー・プレイヤーに挙げられるフィル・アイビー。みんながイメージするハイローラーがこの人。ポーカーだけでなく、バカラでも10~20万ドル賭けているのですが、不思議なことに彼がこれまでにどれだけ勝って負けたのかはわかっていません。イカサマの嫌疑をかけられ、法廷闘争に莫大な費用がかかり、資産が大幅に目減りしたことがあります。

テレンス・ワタナベ

ラスベガスのメガ・ウェールであるテレンス・ワタナベは、約1.5億ドルの純資産のほとんどをすってしまったギャンブラー。2009年にカジノで大負けした額が驚異の1.25億ドル!ハラーズカジノで負けた1500万ドルの支払いを拒否し、法廷闘争が数年に渡って泥沼化したのは有名な話。プレイを続行させるためハラーズに酒類と鎮痛剤を大量に飲まされたとワタナベは主張。最終的には示談となり、ワタナベはキャブル資金をかなり減らした模様。

ファド・アルザヤット

「Fat Cat of London」の異名を持つアルザヤットは、ロンドンのカジノで数百万ドル使って豪遊していたシリア人起業家。いつも勝てたわけではなく、負けが込んだ挙句カジノから足を洗っています。ロンドンのとあるカジノで2500万ドルほど大負けして、未払金を巡って裁判沙汰になり200万ドルの追加徴収を命じられています。

チャールズ・バークレー

伝説のNBAバスケットボール選手であるチャールズ・バークレー。「Sir Charles」と称されている彼は、バスケットボールのキャリアだけでなく派手なギャンブルでも有名。生放送でバスケットについてコメントしている最中に、NBA決勝で勝つと思ったチームに10万ドルをFan Duelで大声で賭けていたとか。人から注目を集めるのスリルが大好き。でも、いつも勝つというわかないんですなぁ。カジノで3千万ドル以上大負けしたころがあるといわれていて、ギャンブル中毒であることを自ら公表しています。ハイローラーとしては世界屈指の有名度。

ここでご紹介したハイローラーたちは、ギャンブル投資額で世界一の男、または世界一の勝ち男、もしくは世界一の負け男として歴史に名を残すことでしょう。何百万ドルも失い手元に残ったのは後悔とスリル感の記憶だけ、というギャンブラーがたくさんいます。その一方、フツーの人間には夢のような額をつぎ込んで富を築いたプレイヤーもいるんですねぇ。

yoshi
同志社大学を卒業後、単身マルタへ渡航。ライブカジノの大手プロバイダーEvolution Gamingでディーラーを経験し、カジノゲームや業界の一部裏側を知る。その後、エストニアを拠点にするカジノオペレーターにてアフリエイトマネージャーを担当し、アフィリエイトの世界に触れ、カジライフの運営担当へと就任。 まだまだ未熟な日本人向けオンラインカジノ業界の発展、正しい遊び方を発信している。