大谷翔平の通訳・違法賭博問題を追う アメリカのギャンブル事情

米国大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の通訳だった水原一平氏が違法賭博を行っていた疑いが伝えられています。
水原通訳はドジャースを即刻、解雇されました。アメリカのMLB(メジャーリーグベースボール機構)や内国歳入庁(IRS)や金融犯罪捜査当局(FinCEN)もこの違法賭博問題について調査を開始し、野球界に留まらず全米を揺るがす大事件に発展しています。
記者会見に臨んだ大谷翔平選手は落ち着いた声ながらも「信頼していた方の過ちは悲しくショック」と同様を隠せない様子。
胴元とされる男性マシュー・ボウヤー氏の弁護士は、大谷翔平選手と胴元男性は一切の接触をしたことがなく、賭博のやり取りは水原通訳と行われたものだと主張しています。
水原通訳と胴元男性が知り合ったのは諸説ありますが2021年か2022年頃の可能性があるということです。エンゼルスが滞在するホテルでポーカーが行われた際にマシュー・ボウヤー氏も参加し、水原通訳と出会ったとも伝えられています。
完全に闇賭博 米野球界が震撼
ギャンブルを合法的に行なうには、ライセンスのある事業者が提供するサービスを利用する必要があります。
アメリカでは、2018年に連邦最高裁判所が賭博の合法化は各州で検討すべきとしたことでギャンブルブームが起こり、50州のうち現在では38州で合法となっています。
しかし、ドジャースのあるカリフォルニア州では、スポーツ賭博は違法となっており、胴元も登記されていない闇業者でした。
水原通訳が賭けた対象は主にサッカーで時にはアメリカンフットボールやバスケットボールにも賭けていたが、野球に賭けたことは1度もないということです。野球関係者として野球に賭けないというコンプライアンス意識があったならば、そもそも違法賭博に手を出すべきではなかったでしょう。
胴元男性は2011年にラスベガスにあるカジノで42万5000ドルを溶かして自己破産を申請したという記録が裁判所にあり、2019年前後から地下賭博の胴元を行っていたとも言われています。
水原通訳の借金が膨らんでも賭け続けさせたことに対して、胴元男性は大谷翔平選手の友人だからだと答えています。有名人の知り合いということで特別扱いしていた可能性もありますが、もともと大谷翔平選手の資金を目当てにしていた可能性も考えられるわけです。
水原一平という男 ギャンブル依存症
水原一平通訳は自身がギャンブル依存症だと述べています。しかし、事件が発覚するまで大谷選手も、そのことを知らなかったということです。
水原一平氏は1984年12月31日、北海道で生まれ、歳まで苫小牧市で過ごし、6歳のときに家族と米国ロサンゼルスへ移住。
MLBで岡島秀樹選手の通訳を務め、日本に帰国すると2012年からは北海道日本ハムファイターズの通訳として外国人選手などをサポート。
日本ハムに所属していた大谷翔平選手が2017年ロサンゼルス・エンゼルスへ移籍したことに伴い、同時に移籍した形となりました。通訳という役職ながら、野球経験者でもありキャッチボールや運転手なども務め、大谷選手の活躍を全面的に支える役目を果たしていました。
それだけの間柄だけに大谷選手も今回の精神的な衝撃は計り知れないものでしょう。
青天のヘキレキ 窃盗か
大谷翔平選手の通訳が違法賭博に関与した疑惑が浮上したのは「大谷選手からボウヤー氏の口座から450万ドル(約6億8000万円)以上の振り込みがあった」とESPNが3月20日に報道したことが発端です。
大谷翔平選手は自身の預金を水原通訳が不正に流用していたと主張していますが、これが事実だとすれば、たとえ合法的な賭博であっても犯罪行為です。人のものを盗んでいるわけですから、これは誰でも理解できることです。
争点:違法賭博への大谷翔平選手の関与は?
水原通訳は「借金を大谷選手が肩代わり」と主張←大谷選手「全てうそ」。
争点は水原通訳が行った違法賭博に大谷翔平選手が関与していたのかということです。これは大谷翔平選手が全面否定しています。記者会見でも声明の発表にとどまり、質疑応答は差し控え、非常に慎重になっていることがうかがえます。
仮に合法のギャンブルだったとしても、メジャーリーガーが野球賭博を行ったら大変な不正行為となり、過去には永久追放された大物選手もいます。
大谷翔平選手はメジャーリーグでベーブ・ルース以来となる投手・打者としての大活躍で、年俸やスポンサー契約など巨額の報酬を得ています。しかし、自身はお金に目もくれずに選手として向上心を持って努力することに集中してきました。ですので、今回の違法賭博問題は、大谷翔平選手のイメージからはかけ離れた事件といえます。
その大谷翔平選手に隠れて、水原通訳はどのようにして口座にアクセスして送金したのでしょうか。徹底解明が待たれます。
大不信で大不振に陥る大谷「気持ち切り替えるの難しい」
信頼する仲間に裏切られて不信感を抱かざるを得なかった大谷選手。韓国ソウルで開催された開幕シリーズから米国に戻りオープン戦の臨んだものの、大谷選手は3試合で計6打数無安打、3三振と振るわない結果です。
「気持ちを切り替えるのは難しいが、シーズンに向けてまたスタートしたい」と声を絞り出す大谷選手。この問題を乗り越えて復活する二刀流の侍の姿を待ち望みましょう。
違法賭博発覚後、初となる大谷翔平選手の記者会見
会見の全内容:大谷翔平選手
皆さん、来ていただいてありがとうございます。僕も話したかったので嬉しく思っていますし、チームの関係者の皆さん、僕自身もそうですけど、ファンの皆さんもほぼ1週間ぐらいですかね、厳しい1週間だと思うんですけども、メディアの皆さんも含めて、我慢とご理解をしていただいたのはすごくありがたいなと思っています。
まず、僕自身も信頼していた方の過ちというのを、悲しくというかショックですし、今はそういうふうに感じています。
現在進行中の調査もありますので、今日話せることにまず限りがあるというのもご理解いただきたいなということと、また今日ここに詳細をまとめた、分かりやすく皆さんにお伝えするためにまとめたメモがありますので、そちらの方に従って何があったのかというのをまず説明させていただきたいなと思います。
まずはじめに、僕自身は何かに賭けたりとか誰かに代わってスポーツイベントにかけたりとか、それをまた頼んだりということはないですし、僕の口座からブックメーカーに対して誰かに送金を依頼したことももちろん全くありません。
本当に数日前まで彼がそういうふうなことをしていたっていうのも全く知りませんでした。結論から言うと彼が僕の口座からお金を盗んで、なおかつみんな僕の周りもそうですね、みんなに嘘ついていたっていうのが、結論から言うとそういうことになります。
まず初めに言うと先週末、韓国ですね、僕の代理人に対してメディアの方から違法なブックメーカーから僕がスポーツ賭博について関与しているのではないかという連絡ありました。
一平さんは僕にこういった取材の依頼があるということをまず、僕には話していなかったし僕の方にそういう連絡はまず来ていなかったということと、まず初めに一平さんは僕と話して分かったのは、一平さんにではなく、某友人の借金の肩代わりとして支払ったというふうに、僕の代理人も含めてみんなに話しています。
その翌日にさらに尋問で一平さんは僕たちの代理人に対して、借金は自分のもの、つまり一平さん自身が作ったものだということを説明しました。
それを僕が肩代わりしたという話を、そのときに代理人に話したそうです。そしてこれらはまったく全てが嘘だったっていうことですね。
一平さんは取材依頼のことも僕にはもちろん、そのとき伝えていなかったですし代理人の人たちに対しても、僕は既に彼と話してコミュニケーションをとっていたっていうことを、嘘ついてました。
僕もそうだし、チームも代理人たちに対しても、僕とコミュニケーションをとっていたっていうふうに嘘ついてました。
そして僕がこのギャンブルに関しての問題を初めて知ったのは、韓国での第1戦で試合が終わった後に行われたチームミーティングのときです。
そのミーティングで彼は全部英語で話していたので、僕に通訳もちろんついてそのときついていなくて、全て英語で話していたので、完全には理解できていなくて何となくこういう内容だろうなっていうのは、おそらくは理解はできていましたけど何となく違和感をその時、感じてました。
そのとき彼は、僕に対して、ホテルに帰った後で2人でより詳しいことを話したいので、今は待ってくれというふうに言っていたので僕は、まずそのときはホテルまで待つことにしました。
僕は一平さんがそのときにギャンブル依存症だっていうのは僕はもちろん知らなかったですし彼が借金をしていることも、そのミーティングの時はもちろん知りませんでした。
僕は彼の借金返済にもその時もちろん同意してませんし、ブックメーカーに対して彼に送金をしてくれって頼んだことはもちろん、許可したことはもちろんないです。
その試合後、ホテルに戻ってちゃんと初めてそこで話をして、彼に巨額の借金があることをその時、知りました。
彼はそのとき私に僕の口座に勝手にアクセスして、ブックメーカーに送金していたということを僕に伝えました。
僕はやっぱりおかしい、これおかしいなと思って代理人と話したいということで代理人たちを呼んで、そこで話し合いました。
話が終わってこれを聞いて僕の代理人もやっぱり彼に嘘をつかれていたということを、初めて知ってすぐにドジャースの皆さんと、弁護士の人たちにその時に連絡しました。
ドジャースの皆さんも代理人たちも彼らもそのときに初めて、また自分たちも嘘をつかれていたということを、その時に知りました。
そして弁護士の人たちは、これは窃盗と詐欺なのでこれを警察の当局に引き渡すという報告をその時にしました。
これがそこまでの流れなので、僕はもちろんスポーツ賭博には関与していないですしブックメーカーに、さっきも言ったけど送金をしていたという事実は全くありません。
正直ショックという言葉が正しいとは思わないですし、まあそれ以上、上手く言葉では表せないような、感覚でこの1週間ぐらいは、ずっと過ごしてきたので、今はそれを言葉にするのは難しいなと思ってます。
まあただ、もうシーズンも本格的にスタートするので、ここからは弁護士の方々にもお任せしますし、僕自身も警察当局に全面的に協力したいなと思ってます。
なので、まあ気持ちを切り替えは難しいですけどもシーズンに向けてまたスタートしたいですし、今日まずお話できてよかったなとも思っているので。今日は質疑応答は、これが今お話できる全てなので、質疑応答はしませんが、これからさらに進んでいくと思います。
以上です。ありがとうございました。
この記事を書いた人
NAGA Casilife Manager
世界のigaming大手で働いた経験あり。複数の言語を操り、カジノの本場から業界の豊富な情報や知見を得ています。