日本を代表するテーブルゲームの将棋。皆さん、将棋の駒を見てみると少し気になることはありませんか?
将棋の最も大事な駒には、「王将」そして「玉将」がありますよね。他の駒は対局者の間で全く同じとなっていますが、なぜか一番重要な駒だけ2種類に分けられています。今日はそんな将棋の王将と玉将の違いのマメ知識を紹介していきます。
元々は玉将だけだった?
実は初めは王将がなく、玉将しか将棋にはなかったようです。どちらかというと王将の方がオリジナルな感じがありますよね?
王将が誕生した経緯にはいくつか説があり、時の将軍である豊臣秀吉が王があった方がいいと言ったという説や、過去の将棋職人が玉の点を付け忘れたため誕生した、などあります。
理由はともあれ、チェスのように白と黒で区別されているわけではない以上、王と玉を分けた方が少し分かり易いということは、確かにあるのかもしれませんね。
王と玉の格の違い
では、実践的なところで王と玉に違いがあるのかというと、実は将棋の作法という面でしっかりと使い分けされています。
例えば、目上の人と将棋をする場合は、目上の人が王将、下の人が玉将となっています。これはプロの将棋でも適用されており、段が上の人が王将、下の人が玉将。またタイトル戦ではタイトル保持者が王将、挑戦者が玉将という扱いのようです。
意外にも、オリジナルの玉将より、王将の方が上と捉えられているんですね。
また、作法以外でも面白い事実がいくつかあり、プロのタイトル戦で「王将戦」はありますが「玉将戦」はなかったり、将棋で使われる声掛けの「王手(おうて)」はたとえ相手が玉将であっても「玉手(ぎょくて)」とは言わなかったりします。しかし、記録係が書き上げる棋譜では王将・玉将ともに「玉」で表されることが決まっており、また読み上げる際にも「ぎょく」と言われるようになっています。
まとめ
歴史的には玉将が始まりとされていますが、長い時の流れの中で王将が誕生し、その格にも違いが出てきました。
その中にはしっかりと将棋の作法、礼儀の意味も含まれており、まさに日本を代表するボードゲームらしさを感じられると思います。
これから将棋を始めようと思っている方や、プロの将棋に興味を持ち始めたいわゆる「見る将」初心者の人などに豆知識として、是非、教えてあげてみてください!