将棋の記録係って何なの?

記録係とは?

記録係

まず、記録がかかりとは何をする人なのか。ここから始めていきたいと思います。

記録係の人は簡単にまとめると、対局の記録を取ること、そして対局の時間を管理することの2つを行っています。

一つ目の記録に関してはアマチュアとは異なり、プロ棋士の対局では対局の内容を記録として残しておきます。この記録は、以前までは全て棋譜用紙と呼ばれる専用の紙に手書きで取られていましたが、最近ではタブレットで記録を取ることが多くなってきたようです。これらの記録は、将棋の戦術などの発展に大きく用いられるため、とても貴重な資料となっています。

二つ目の対局の時間管理ですが、将棋の対局には双方に持ち時間というものが与えられています。この持ち時間をしっかりと守っているか、時には記録係が時間の経過を知らせるために秒読みを行うこともあります。

これらの仕事を行う人を記録係と呼びますが、この仕事は主に将棋の奨励会員が務めることがほとんどです。奨励会とは、プロの棋士を目指している人たちが集まる養成機関のようなものになります。この養成機関の研修員たちが、自身の修行や将棋の勉強も兼ねて、プロ棋士たちの対局の記録を取るというのがこれまでの伝統となってきたようです。

記録係の居眠りについて

棋士たちの対局を中継などで見たことがある人は気付いたこともある方がいらっしゃるかもしれませんが、時々、記録係の人が眠たそうに、むしろほぼ意識が飛んでしまっているようなことがあります。

これは正直、記録係をした人にしか分からない感覚ですが、やはり眠気を感じてしまうのは致し方ない環境であることが原因だと思われます。

素人の対局でも将棋は数時間かかることがありますが、プロの対局ともなれば真剣度がさらに上がり、かなりの長丁場になることは珍しくありません。また、プロの邪魔をしないように対局の場はかなり静かで、時々心地よく駒を打つパチンという音が鳴り響くだけです。このような環境だと、始めは記録取りに集中していても眠くなってしまうのは避けられませんよね。

特に、記録係の人は対局者の動きを見逃すわけにはいきませんから、自由に動くこともできたいため、意外と肉体的にもしんどかったりします。

記録係の収入は?

プロの対局にはとても大事で、意外な労働力も必要な記録係ですが、それではいったい報酬としてはいくらぐらい貰えるんでしょうか?

これは少し奨励会員の間でも話題となっているのですが、あまり手当としては多くは貰えないようです。

調べたところ日当で貰えるらしく、報酬はだいたい6000円~10000円の間のようです。

あまり悪いようには見えませんが、10時ごろからの対局に合わせて9時から会場に入るとして、対局が夜までかかるとするとあまり割の良い仕事とはいえませんね。しかし、修行や勉強としての側面が強いと考えられているため、特に金額は問題ではないのかもしれません。

一方で、その勉強としての側面も最近では議論に上がっているらしく、AIでの研究材料などに恵まれてきた現在では、記録係で一日使ってしまうぐらいならば、個人で将棋の勉強をしている方が良いのではという声もあるようです。

こういった意見が次の記録係の不足問題に繋がってきます。

記録係の不足問題について

記録係は将棋の奨励会員によって担われているとお伝えしましたが、奨励会員とは主に高校生以下の学生がほとんどになります。そのため、学業との両立が難しく、記録係として出席できないこともしばしばあります。

また最近ではコロナの規制などもあり、特に記録係の不足が問題となってきています。現在は、女流棋士がほとんどの仕事を請け負う形になっており、時々、プロ棋士も記録係を行うまでになっているほどだとか。それでも決して人員を十分に補えているわけではないため、同じ人が連日仕事をしなければならず、決して肉体的、精神的に楽ではない責務に問題を唱え始めているようなのです。

この問題が取り上げられる背景には、単純に人が足らないということだけでなく、多くの人がやりたがらないという点にあり、その理由の1つに低い日当があげられます。特に18歳未満の学生に、時給に換算すると800円にも満たない仕事をさせるのは法的な問題もある可能性があり、これもまた別の問題を生んでしまうかもしれません。

また、体裁としては仕事ではなく、奨励会員の勉強の一環となっているようですが、今どきの将棋の勉強法はすでにお伝えした通りとても進歩しており、記録係としてプロの対局に出席する理由も薄れてしまっているのです。

こういった実情を受け、最近ではAIによって記録係を請け負わせることを検討、または実際にそういった技術の開発にまで及んでいるようですが、それでもまだまだ実用、そして普及にはあまりいたっていないとのことです。

まとめ

将棋の記録係について、少し理解は深まりましたでしょうか?

将棋の対局には想像以上に多くの人の協力が関わっていることがまた1つ分かりましたね。こういった新しい将棋の見え方というのは、さらに将棋を見ていく上で楽しさを増やしてくれます。是非、周りのお友達にも教えてあげてみてください!

yoshi
同志社大学を卒業後、単身マルタへ渡航。ライブカジノの大手プロバイダーEvolution Gamingでディーラーを経験し、カジノゲームや業界の一部裏側を知る。その後、エストニアを拠点にするカジノオペレーターにてアフリエイトマネージャーを担当し、アフィリエイトの世界に触れ、カジライフの運営担当へと就任。 まだまだ未熟な日本人向けオンラインカジノ業界の発展、正しい遊び方を発信している。